ドスパラ - パーツの犬

問題ないのでそこまでは……、ただ念のためもうちょっと冷えないかな〜、と。

システムクーラーでも増設すれば？

もうあります。静音も考えると、これ以上ファン数は増やしたくない。

注文が多いわねぇ。

じゃあグリスを変えたらどうです？

グリス？　ほとんど同じでしょ？

高いグリスは予想以上に効きますよ。クーラー変えないならぜひお試しを。

う〜ん、本当に効くなら欲しいかも。



という訳で、ゲットしてきました。
親和産業：LIQUID Pro + クリーニングセット　です。

ドイツ製なんですの。

使った人によると、相当冷えるそうですよ。

ほう、期待できそうね。

じゃあ早速チェックをば。


まず言っておきますが、LIQUID Proはグリスではありません。

どう見てもグリスの気がするけど、じゃあ何？

液体金属、正式には「熱伝導液体金属」です。

水銀！？

T-2000（ターミネーター２の敵）？

液体金属って言うとそのイメージですよね。でも違います。

ちなみに周囲に液体金属のイメージを聞いたら、メタルスライム（はぐれメタル含む）とターミネーター関係が同点トップでした。マニアックなご意見としてはイゼルローン要塞とか。

嗚呼、銀河の歴史がまた１……。

はいストップ。




……あと、結構な値段ね。3.5グラムで2,480円って事は、１グラム約700円か。

もう一つ、10グラム300円ちょいのを持ってきました。グラム単価は20倍以上ですから効きそうです。

それで差が出なかったら大変だけどね。

1グラム700円……。パラジウム？（12/18の相場で、１グラム500円前後）

詳しい原材料は、水銀でないこと以外不明です。



グリスか液体金属かはともかく、なぜ普通のグリスより冷えるので？

ご存知の通り、グリス類は、CPUとクーラーの接触部分にある、小さな隙間を埋めて、CPUの熱をクーラーに効率良く伝える役目があります。

肉眼じゃ見えないほどの隙間なんだけどね。

まあ、実際にグリスを塗らないと温度上がりまくるから、隙間の影響は大きいんでしょう。

で、熱を伝えるということは、グリスの素材も熱伝導率が高い方が良い訳です。

うんうん。

確か、普通のグリスは熱伝導率0.6、シルバー入り高級グリスは9〜10くらいでしたか？

※熱伝導率の単位はW/mK、その素材を1平方メートル、厚さ1mに加工したとして、その素材に対し一つの面と対向する面の間に1℃の表面温度差を作り続けた状態で、1秒間あたりに素材を通過する熱量を示します。


どれどれ、ちなみに空気を調べたら、0.0241W/mKだって。効率悪いのね。

なお、アルミは237、銅は401、銀は429です。

なるほど、アルミクーラーより銅の方が高性能な理由はそれですか。

銀の方がもっと高伝導率だけど、銀でクーラー作ったら価格が大変だしね。

ですね。粉末にしてグリスに混ぜるのが精一杯ですが、それでも通常のグリスより高性能になります。

じゃあ、今回の液体金属はどうなの？　高級グリスの2倍くらいありそう？

本製品はなんと82W/mK！　ちなみに、パラジウムは71.8W/mK、鉄は84W/mKです。

水銀は8.34W/mKだから、確かに違う物質ですのう。

グリスの常識を超えた数値と言えそうね。

そこまで聞くと、冷却効果が期待できそうですわ。



ではチェック開始。使用PCはこちらの2台です。

マザーボード：FOXCONN A7GM-S
CPU：Phenom x4 9750
クーラー：Athlon 6000+ 用リテール
ビデオカード：オンボード
OS：WindowsVISTA Ultimate SP1
温度測定ツール：FOX ONE

マザーボード：GIGABYTE GA-EX58-UD5
CPU：Core i7 965
クーラー：965用リテール
ビデオカード：GeForceGTX 280
OS：WindowsXP Professional SP3
温度測定ツール：EasyTUNE 6


「Prime95」で負荷をかけ、10分後の温度を負荷時、負荷をやめて10分後をアイドル時として計測。計測項目は温度とファン回転数です。



なぜPhenomでAthlon x2用クーラーなの？

6000+のクーラーはCPUとの接触部分が銅だからです。i7 965のリテールもですね。

銅にこだわる訳は？

この注意書きをどうぞ。なお、本製品は強力ゆえに注意点が多いですよ。

侵食！！

という訳でアルミクーラーの方は使用できません。なお、CPU側は侵食しないそうです。

では取り付けてみます。



液体金属をCPUに垂らしてみました。





私のグリスの塗り方は、写真のように真ん中に乗せてクーラーで押し広げる方法ですが、液体金属は玉の状態で押すと、多くがCPUの外に弾かれてしまう様です。 あらかじめヘラなどで薄く広げてからクーラーを付けましょう。なお、指紋の隙間が出来るので、指で塗るのは避けてください。


なお、965用のリテールクーラーのファンには回転数変更スイッチがあり、「Ｑ」が低速、「Ｐ」は高速になります。 今回は「Ｑ」で計測。




取り付けは上手く行きました？

Phenom（先の写真）の時、玉の状態で押したから、外にこぼれて拭くのが大変だったよ。あと写真の状態は垂らしすぎなので、この半分以下でいいです（1/29：垂らしすぎ注意を追記しました）。

普通に拭けないの？

確か、ティッシュとかもはじくんですよね。

なんとまあ。

綺麗にするのに10分以上かかったです。量は控えめ、かつ広げておきましょう。もしもの時は、吸い取る方が良いので、スポイトやタレピンをご用意ください。

タレピンって何？

寿司や弁当についてるプラスチックの醤油入れです。最近の醤油やソースは袋入りがほとんどなので見かけないですが……。

あれかぁ。

メーカーの説明ページにも、「CPU外部に付着しないように、付着したら完全に拭き取ってください」とあります。この液体金属は電気伝導しますので、下手にマザーボード上に付着すると故障の原因になりますから。

メーカーページは　こちら！

そうそう、一度CPUクーラーを取り付けたら、すぐ電源を入れず、一度外してCPU周辺にないか確認しましょう。

ちと面倒だけど、冷却パーツをそのまま１つ増設している手間だと思えば許容範囲かしらね。



では取り付けも終わりましたし結果をどうぞ。ついでにグリス無しも計測しています。



●Phenom x4 9750

	アイドル時	負荷時
グリス無し	52℃　2824回転	※
低価格グリス	47℃　2827回転	65℃　3214回転
液体金属	43℃　2702回転	61℃　3183回転

※負荷1分で74℃。FOX ONEの警告音が鳴ってから、20秒ほどでFOX ONEがエラー、強制シャットダウンしました。


●Core i7 965

	アイドル時	負荷時
グリス無し	※
低価格グリス	35℃　1333回転	67℃　1748回転
液体金属	30℃　1252回転	56℃　1748回転

※起動中に再起動を繰り返し、OS起動まで行かず。


確かに差が……。というか、Core i7の時は11℃も変わるじゃないの！

塗るのに苦労した甲斐があったというものです。というか予想以上。

※全CPU、マザーボードで同等に冷えるとは限りませんのでご注意ください。また、本製品の使用は自己責任でお願いします。

なお、今回は最初に低価格グリスでチェックのあと綺麗にふき取って液体金属を塗りましたが、これだと本来の威力を発揮できません。

なんで？

先のメーカーの説明ページで、「準備」以降をお読みください。




とりあえず、新品CPUだともうちょい冷えた可能性有りですか。

なお、よくクーラーに付属しているビニール詰めのおまけグリスが相手だと、もっと差が出るそうです。

高性能クーラーと液体金属を組み合わせるとすごいことになりそうね。

というわけで、CPUに塗る物を変えるだけでも意外と冷えることが分かりましたね。

さすがドイツ製ってところ？

我がドイツの科学力はァァァ……。

絶対言うと思った。


他にドイツのイメージっていうと、バームクーヘンとかシュトーレンとかフランクフルトとかジャーマンポテトなんだよね。

食べ物とアニメキャラばっかりじゃん。さっきも漫画だし。

先生、シュトーレンは元々お菓子の名前ですぞ。

どの名前かすぐ指摘した方もさすがです。

まったく、アニメや漫画、食べ物の事しか考えてないのは「何処のドイツ（どいつ）」だと。

「それはオランダ（俺だ）」、って感じ？

オランダだと、俺のだ、と言うことですから「それは俺の物だ」って意味になりますよ。「ん」が邪魔ですね。

冷静に突っ込まないでよ。もう「オレ」ゴン州でも「ワシ」ントン州でもいいから。

醜い言い争いの間に、余った液体金属をありがたく我が家に……。

何をするだァー!!　許……。

最後も漫画かいな。




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