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ドイツの熱伝導シートでCPUを楽々冷却
昨年12月に液体金属グリスの効果にビックリしたばかりですが、先週新製品が登場したとのこと。
4/3に登場の親和産業：LIQUID MetalPad+クリーニングセット
ですね。
製品そのものは2007年からありましたが、ドイツ製なのでこれまで入手しにくかったのです。
なるほど、それで液体金属がどう変わったの？
百聞は一見にしかず。取り出したので見てみましょう。
銀色の折り紙？
見た目はそうですが、折り紙と比べると小さいですよ。
じゃあ脂取り紙？
そもそも紙じゃないです。これは金属を薄く延ばした熱伝導シートです。
なんだか板みたいね。
板と言えば、最近は某ゲーム機の痩せる板を真っ先に思い浮かべる今日この頃。これを買って楽に痩せる計画を……。
板だけじゃ痩せないから。ちゃんと上にのって動こうね。
今日もいい天気ですな。それよりこの熱伝導シートについて。
動く気なさそうですね……。
まあ予想通り。で、このシートは前回の液体金属をそのまま固めてシートにした製品って事？
ちょっと違う様です。液体金属の熱伝導率は82W/mKでしたが、このシートは126W/mKもありますし。
※前回の記事は こちら！
なんと、あの液体金属より強力ですか。
逆にそこまで強力だと、侵食とかも激しそう？
ところが、本製品はアルミ製クーラーでも使用可能なんですよ。
それは便利。
ただし最初のセッティングにはコツが入ります。この辺は液体金属同様ですね。
侵食はしないけど、この製品も使用は自己責任でお願いしますね。
ではセッティング方法と冷却能力をチェックしてみましょう。使用PCは、
マザーボード：MSI X58 Pro
CPU：Core i7 965 Extreme Edition
メモリ：A-Data PC3-10600 1GB×3
ビデオカード：Palit GTX 275 896MB （NE3TX275FT394）
です。
最初にシートをどうするかですが、Core i7用のリテールクーラーはCPUとの接触部分が丸く、またCPU全部に触れるほど広くないないので、このまま使うとはみ出ます。
という訳で、1/4だけ使います。ちょうどいい感じ。
CPU上にシート、そしてクーラーを置いたら、シートがずれない様にすぐ固定しましょう。
これで終わり？
このままでもグリスの役目は果たしますが、本領発揮しません。
あまり冷えないって事？
そうです。一度シート部分を58℃以上にして、シートを溶かして隙間になじませる必要があります。
その方法は？
それはドライヤーを使って熱風を当てるか、もしくはファンを回転させずにPC起動して熱くするか、などですね。
この辺が自己責任の理由ね……。
自社製の計測ツールが付いているマザーボードなら、ファンを回さずに負荷をかける方法をオススメ。
この方法だと簡単に温度が上がるから、そのまま温度を見つつ、80℃になったら負荷終了、という方法で。
なるほど。
温度上げ過ぎを怖がる方もいると思いますが、現在のCPU仕様として、短時間なら80℃程度になっても壊れません。
チェック方法は、先日の製品レビュー「兜＆刀３クーラー」と同じく、「Prime95」で負荷をかけ、マザーボードの付属ツールで計測します。X58 ProはMSI製なので「OverclockingCenter」ですね。
チェック開始。低価格グリスと、溶かす前のシートも一緒に見てます。
| アイドル時 | 高負荷時 | |
|---|---|---|
| 低価格グリス | 31℃（1154回転） | 70℃（2167回転） |
| シート溶かす前 | 33℃（1172回転） | 64℃（2115回転） |
| シート溶かした後 | 30℃（1163回転） | 58℃（2127回転） |
液体金属の実績があるから予想はしてたけど、今回もやっぱり冷えるわね。
ただ、熱伝導率が液体金属の1.5倍あるから、温度も15℃くらいは下がると思ったけど、そこまでは無理ですかな？
まあ、今回は環境も違いますし、それに熱伝導率が低価格グリスの60倍だからといって、60倍冷える訳じゃないです。
ただ、少なくとも液体金属と同等以上に冷えるのは間違いないと思います。
ですの。では計測も終わったので帰りましょう（素早くシートをゲット）。
ちょい待った。前回Phenom 9750の温度を見たんだから今回もよろしく。ちょうどここにPhenomII X4 940 Black Editionあるし。
間違いなく冷えると思うから、もういいでしょ？
最近暖かいからってダレてないで、CPUの違いで冷え方に差があるかとかちゃんと見てね。
それじゃあ早速……。環境は……マザーボード：FOXCONN A7DA
CPU：Phenom�� X4 940 Black Edition
メモリ：A-Data PC2-6400 1GB×2
ビデオカード：オンボード
です。
ちなみに、AMDのCPUはクーラーと触れる面積が広いから、シートも広くした方がと思って、コレくらいにしたところ……。
何かあった？
チェック終了後にクーラーを外したら、シールの一部が玉状になって転がってました（液体金属のときと違い、固まっていたので取るのは楽）。AMDのCPUでも1/4くらいで十分でしょう。
※液体金属同様、本製品も電気伝導します。液体化して周囲にこぼれると故障の原因となりますので、使用量に注意してください。
なるほど。
ではチェック開始。こちらの計測ツールは「FOX ONE」です。
| アイドル時 | 高負荷時 | |
|---|---|---|
| 低価格グリス | 36℃（2556回転） | 56℃（3054回転） |
| シート溶かす前 | 38℃（2636回転） | 60℃（3139回転） |
| シート溶かした後 | 34℃（2490回転） | 53℃（3054回転） |
元がCore i7より低温なのに、あまり冷えないのはどういうこと？ しかも液体化前は低価格グリスより効率悪いし。
おそらく、例の液体化する温度「58℃」が影響するのかも。
つまり、このシートが威力を発揮するのは58℃以上ってことですか？
絶対とは言えませんが。実際に、液体化後を見ると53℃まで下がってるから、ちゃんと溶けてなじめば効果アップする模様。
でも液体化前は60℃よ？ 58℃以上になってるしもう溶けてるんじゃ？
こういった測定ツールの数値は、CPUのThrmal値（CPUが出している温度データ）を読んでるので、実際のシート部分の温度と微妙にずれているのかと思います。
なるほど。だからさっきの液体化作業では、58℃でいいのに80℃まで上げたのね？
さすがにそこまで上げれば、シート部分でも58℃未満ってことはまず無いし、溶けますわ。
なるほど了解。とりあえず言えるのは、ちゃんと違うCPUも見たからこの結果がわかったのよ。
横着はいけませんってことです。
マリアナ海溝より深く反省しております。
今回の結果をまとめると、このシートは熱いCPUをとっても冷やす、それなりのCPUはそれなりに冷やす、って事ね？
その様です。
高温CPUほど良く冷えるってことは、基本的にTDPが高いCPUを使う人向け。
ただし、「兜＆刀３クーラー」のような高性能クーラーを持っていると、それだけで冷えるためシートの追加効果が減る可能性があります。無理に併用しなくても大丈夫です。
このシートは2580円（4/10現在）、しかも１つのCPUには1枚の1/4しか使わないから、Celeron・Athlon x2の様な低価格、しかも熱くないCPUに使うのはもったいないかな？
そういうCPUでも、背面の排気ファンがない省スペースケースの方には効果的かと。小さいケースだと、同じCPUやクーラーでも、タワー型ケースより温度が上がりやすいし。
OC（オーバークロック）に挑戦中で、何度もCPUやクーラーを外すような方にも向いてますね。あとはシートが３枚という事は、３人で買うのも手です。
３枚……。まだ２枚以上余ってたよね？
ですよね。
さっき板で痩せるって言ったばかりですよ。有効に使うのでよろしく。
痩せるのはゲーム機の板でしょうに。第一熱伝導シートでどうすると？
痩せるかも……。
このシートは紙じゃないので、体に貼るのはいかがなものかと。※絶対に真似しないでください。
あと、さっき鶴を折ろうとしたらすぐ切れたので、折り紙は無理。曲げる程度なら問題ないですが、余ったシートの保管は、なるべく最初の紙に挟んで広げた状態にしておくように。
地デジの時もそうだけど、仕事中に何しとる！
その他記事一覧は こちら
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この記事へのコメント
1. Posted by れとろ 2009年04月13日 16:49
いつも楽しく拝見させていただいております。
パーツの犬さんをリンクさせていただきました〜。
こちら、相互リンクなどは受け付けておられないでしょうか？
パーツの犬さんをリンクさせていただきました〜。
こちら、相互リンクなどは受け付けておられないでしょうか？
2. Posted by sage 2009年05月14日 14:29
LIQUID Metalシリーズは高額で使用可能な回数も少なく、気軽に試せないのでこういうレビューは非常にありがたいです。
せっかくクリーニングセットが付属するのですから、使った後除去する方法も実演していただけるとありがたいです。
せっかくクリーニングセットが付属するのですから、使った後除去する方法も実演していただけるとありがたいです。
3. Posted by Samurai 2009年08月24日 02:43
Alex、Caesar、Barong、Go、本当に実際に使うCPUの大きさの１/４位で１枚を使うのかな、確かにあんまり大きくするとMotherBoardに零れて大変な事になるな付け終わった後FanController外した方が良いのかな
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