知っていますか?この話! ★Vol.04★
高性能ビデオカードの製造にまつわる話
その2、長いです!長文です!
驚きの情報が!!!
その2、長いです!長文です!
驚きの情報が!!!
その2(まだ、その1を読んでない人はこちら!)
ハイエンドのVGAカードを委託生産しているのは普通だが
今回の6800UltraとX800XTPEは今までとは違い
GPUのみならずカード自体をTSMCで生産する。
生産はTSMCでするのだが、その生産品質基準を作るのは
Nvidia、ATI(クライアント)だ。
なので検品の方法もクライアントの指示通り実施する。
ビデオカードの供給スタイルは何通りかある。
ハイエンド:発熱が高く、いい加減な冷却ファンでは熱暴走してしまう。
GPU以外の部材、コンデンサや抵抗、基盤も低品質の物を使うと
不安定だったりまともに動作しない。
出荷形態:VGAカード(完成体出荷)
ミドル、ローエンド
発熱量は低く、チップによってはファンレスも可能。
基盤やその他の部材パーツも
高品質の物を要求しない。メモリも低クロック動作なので
安いメモリで作成できる。
出荷形態:GPUチップのみ
過去にハイエンドのVGAが出たときに初回出荷分は、極一部のメーカーを覗き
ほぼ全てのカードのデザイン、部材の積載位置、冷却クーラーは同じであった。
これは今でも変わりはない。
逆にミドル、ローエンドのVGAは各メーカー、色々なファンを載せ、
様々なメーカーの
VGAメモリを搭載して基盤デザインも多種多様である。
なぜハイエンドだけカードが共通な設計(デザイン)なのだろうか?
実は出荷形態にある。Nvidia、ATIらがメーカー側に完成体状態で出荷するには
品質維持という目的がある。
一昔前、ハイエンドVGAはローエンドVGAと同じ、GPUのみの出荷であった。
メーカー側で基盤や冷却ファン、積載部材をアッセンブルして完成させる。
もちろんチップだけ出荷して後は好き勝手作っていい。
と言うわけではない。
リファレンスデザインという物が存在する。
リファレンスデザインとはNvidia、ATIが定めた基準仕様で
その基準通りに作ればちゃんとした品質のVGAが作れるという、
いわば基本設計図である。(リファレンスデザインの仕様書は見ていないので
どこまで細かく仕様が決められているのかは定かではない。)
最初は各メーカー、リファレンスデザインで忠実に作成してライバルメーカーに
負けないようにできる限りの早期出荷を目指す。
(リファレンスに乗っ取り忠実に作れば品質には問題ないので生産スピードは早い。)
なので、
初回に出てくるハイエンドVGAは多くのメーカーがリファレンスデザインで出してくる。
リファレンス版が出荷された後、メーカーはそのままリファレンス版を作っていても
他メーカーとは差別化できないし、仕様書に書いてある部材が高かったら
人気の無いメーカーは薄利になってしまう。
その対抗策として
特殊冷却ファンや基盤デザインの変更、安いメモリ、安い積載部材、
逆に基準以上の高品質な部材、メモリの採用などを使った、リファレンスではないオリジナルVGA作る。
前者の、安い部材や、安いメモリ、いい加減な冷却ファンを使うと
当然、不良率が跳ね上がる。イメージダウンになる(メーカー共に)
後者の、基準以上に高い部材、メモリを使うと生産コストが
上がるが高品質で安定したVGAを作ることができる。
そう、今は撤退してしまったCanopusがそれをやっていたのである。
おそらく世界最高レベルのオリジナルVGAを作る技術を持っていたであろう。
何せ基盤から配線ラインから全てをオリジナル設計から初めているのだから・・・
私はCanopus最後のVGA、SPECTRA WX25を使っていた。
(値段は他メーカーより2万以上高かったが、品質は最高だった)
ELSAもオリジナルではないが、リファレンスデザインに加え、基準以上の
パーツを積載しており、その品質の高さは有名である。
つまり世の中のメーカーがCanopusやELSAのようなカードを出せばいいのだが
当然逆であって、メーカーは少しでも安いカードを作って利益を出そうとした。
その結果、ハイエンドでも不安定でまともに使えないカードが続出した。
そこでNvidia、ATIは対抗策を取った。
ハイエンドVGAに関しては
「リファレンス以外のボードは禁止、
その条件を飲めないメーカーは
供給できない」と言うものであった。
これがCanopusのVGA撤退原因の一つになったと思われる。
この対抗策を先に取ったのはNvidiaで、その半年後にATIも同内容の対抗策をとった。
(噂ではNvidiaがCanopusに対してオリジナル禁止を譲らなかったため、
Canopusは一時期ATIにコンタクトを取り
RADEONシリーズのCanopusオリジナルを作ろうとしていた噂があった。
結局ATIも同じくオリジナル禁止になったため実現はしなかったが・・・)
その後オリジナルデザイン等のハイエンドVGAがパッタリと出なくなり
VGAハイエンドのメーカー差が無くなっていった。
しかし、オリジナル禁止を施行したのに不良率の回復率が
思わしくなかった。
それは一部のメーカーではリファレンスデザインで出荷していたが、
微妙にコンデンサを安い物に変えていたり、安メモリを搭載した
VGAが出荷されていたのが問題なった。
積載部材にリファレンス仕様書で指定されている部材を使うようになっていたかは分からないが・・・
そういう品質のVGA出回っていた。
さらにNvidia、ATIは厳しくなった。
「メーカーには一切GPUは供給しない、カード完成体で供給する」
と言う物であった。これは今もおそらく変わっていない。
TSMCで作られているカードはまさにこれの事である。
つまりASUSだろうとGIGAだろうとAlbatronだろうと
TSMCで生産されて,その後に各メーカーに振り分けられているのである。
今まで発売された各メーカーの6800Ultra、X800XTPEのデザインを見れば
分かるとおり、違いは外箱、付属品、VGAのBIOSくらいである。
それ以外は同じなのである。
ただ、ここ最近、有名メーカーLeadtek(6800Ultra)、Sapphire(X800PRO)などから
オリジナルとは違う特殊ファンを搭載している物が出てきている。
出しているのは超有名メーカーばかり。
恐らく、出荷量などが多いメーカーのみ、NvidiaやATIは限定的に
特殊ファンを使用する事を許可していると思われる。
(その特殊ファンも十分に検証されているはずである)
P.Sここ最近X800PROについてはリファレンス以外のファン搭載の物を見かけるのでPROに関しては縛りが解除されたのかも。
んんんん、てか長いよ・・・・しかもテキストばっかり!
しかも文章がなんかシリアスだ!
まあ、私が海外の情報サイトやら出荷されている実績を調べたり
して得た情報を、まとめているので、違っている部分も
あるかも知れないけど、現実と照らし合わせると
はずれていないと思う。
ふぅ、疲れました。
Doom3早く来ないかな〜。
次からはまた短く、がんばって日々更新して逝きたいと思います。
ワンワン♪
ハイエンドのVGAカードを委託生産しているのは普通だが
今回の6800UltraとX800XTPEは今までとは違い
GPUのみならずカード自体をTSMCで生産する。
生産はTSMCでするのだが、その生産品質基準を作るのは
Nvidia、ATI(クライアント)だ。
なので検品の方法もクライアントの指示通り実施する。
ビデオカードの供給スタイルは何通りかある。
ハイエンド:発熱が高く、いい加減な冷却ファンでは熱暴走してしまう。
GPU以外の部材、コンデンサや抵抗、基盤も低品質の物を使うと
不安定だったりまともに動作しない。
出荷形態:VGAカード(完成体出荷)
ミドル、ローエンド
発熱量は低く、チップによってはファンレスも可能。
基盤やその他の部材パーツも
高品質の物を要求しない。メモリも低クロック動作なので
安いメモリで作成できる。
出荷形態:GPUチップのみ
過去にハイエンドのVGAが出たときに初回出荷分は、極一部のメーカーを覗き
ほぼ全てのカードのデザイン、部材の積載位置、冷却クーラーは同じであった。
これは今でも変わりはない。
逆にミドル、ローエンドのVGAは各メーカー、色々なファンを載せ、
様々なメーカーの
VGAメモリを搭載して基盤デザインも多種多様である。
なぜハイエンドだけカードが共通な設計(デザイン)なのだろうか?
実は出荷形態にある。Nvidia、ATIらがメーカー側に完成体状態で出荷するには
品質維持という目的がある。
一昔前、ハイエンドVGAはローエンドVGAと同じ、GPUのみの出荷であった。
メーカー側で基盤や冷却ファン、積載部材をアッセンブルして完成させる。
もちろんチップだけ出荷して後は好き勝手作っていい。
と言うわけではない。
リファレンスデザインという物が存在する。
リファレンスデザインとはNvidia、ATIが定めた基準仕様で
その基準通りに作ればちゃんとした品質のVGAが作れるという、
いわば基本設計図である。(リファレンスデザインの仕様書は見ていないので
どこまで細かく仕様が決められているのかは定かではない。)
最初は各メーカー、リファレンスデザインで忠実に作成してライバルメーカーに
負けないようにできる限りの早期出荷を目指す。
(リファレンスに乗っ取り忠実に作れば品質には問題ないので生産スピードは早い。)
なので、
初回に出てくるハイエンドVGAは多くのメーカーがリファレンスデザインで出してくる。
リファレンス版が出荷された後、メーカーはそのままリファレンス版を作っていても
他メーカーとは差別化できないし、仕様書に書いてある部材が高かったら
人気の無いメーカーは薄利になってしまう。
その対抗策として
特殊冷却ファンや基盤デザインの変更、安いメモリ、安い積載部材、
逆に基準以上の高品質な部材、メモリの採用などを使った、リファレンスではないオリジナルVGA作る。
前者の、安い部材や、安いメモリ、いい加減な冷却ファンを使うと
当然、不良率が跳ね上がる。イメージダウンになる(メーカー共に)
後者の、基準以上に高い部材、メモリを使うと生産コストが
上がるが高品質で安定したVGAを作ることができる。
そう、今は撤退してしまったCanopusがそれをやっていたのである。
おそらく世界最高レベルのオリジナルVGAを作る技術を持っていたであろう。
何せ基盤から配線ラインから全てをオリジナル設計から初めているのだから・・・
私はCanopus最後のVGA、SPECTRA WX25を使っていた。
(値段は他メーカーより2万以上高かったが、品質は最高だった)
ELSAもオリジナルではないが、リファレンスデザインに加え、基準以上の
パーツを積載しており、その品質の高さは有名である。
つまり世の中のメーカーがCanopusやELSAのようなカードを出せばいいのだが
当然逆であって、メーカーは少しでも安いカードを作って利益を出そうとした。
その結果、ハイエンドでも不安定でまともに使えないカードが続出した。
そこでNvidia、ATIは対抗策を取った。
ハイエンドVGAに関しては
「リファレンス以外のボードは禁止、
その条件を飲めないメーカーは
供給できない」と言うものであった。
これがCanopusのVGA撤退原因の一つになったと思われる。
この対抗策を先に取ったのはNvidiaで、その半年後にATIも同内容の対抗策をとった。
(噂ではNvidiaがCanopusに対してオリジナル禁止を譲らなかったため、
Canopusは一時期ATIにコンタクトを取り
RADEONシリーズのCanopusオリジナルを作ろうとしていた噂があった。
結局ATIも同じくオリジナル禁止になったため実現はしなかったが・・・)
その後オリジナルデザイン等のハイエンドVGAがパッタリと出なくなり
VGAハイエンドのメーカー差が無くなっていった。
しかし、オリジナル禁止を施行したのに不良率の回復率が
思わしくなかった。
それは一部のメーカーではリファレンスデザインで出荷していたが、
微妙にコンデンサを安い物に変えていたり、安メモリを搭載した
VGAが出荷されていたのが問題なった。
積載部材にリファレンス仕様書で指定されている部材を使うようになっていたかは分からないが・・・
そういう品質のVGA出回っていた。
さらにNvidia、ATIは厳しくなった。
「メーカーには一切GPUは供給しない、カード完成体で供給する」
と言う物であった。これは今もおそらく変わっていない。
TSMCで作られているカードはまさにこれの事である。
つまりASUSだろうとGIGAだろうとAlbatronだろうと
TSMCで生産されて,その後に各メーカーに振り分けられているのである。
今まで発売された各メーカーの6800Ultra、X800XTPEのデザインを見れば
分かるとおり、違いは外箱、付属品、VGAのBIOSくらいである。
それ以外は同じなのである。
ただ、ここ最近、有名メーカーLeadtek(6800Ultra)、Sapphire(X800PRO)などから
オリジナルとは違う特殊ファンを搭載している物が出てきている。
出しているのは超有名メーカーばかり。
恐らく、出荷量などが多いメーカーのみ、NvidiaやATIは限定的に
特殊ファンを使用する事を許可していると思われる。
(その特殊ファンも十分に検証されているはずである)
P.Sここ最近X800PROについてはリファレンス以外のファン搭載の物を見かけるのでPROに関しては縛りが解除されたのかも。
んんんん、てか長いよ・・・・しかもテキストばっかり!
しかも文章がなんかシリアスだ!
まあ、私が海外の情報サイトやら出荷されている実績を調べたり
して得た情報を、まとめているので、違っている部分も
あるかも知れないけど、現実と照らし合わせると
はずれていないと思う。
ふぅ、疲れました。
Doom3早く来ないかな〜。
次からはまた短く、がんばって日々更新して逝きたいと思います。
ワンワン♪
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この記事へのコメント
1. Posted by takoashi 2004年08月15日 11:04
ん〜〜興味深い。。
2. Posted by 七誌の住民 2004年08月15日 11:36
ためになる歴史の勉強ですなぁ
昔を知らないからこういう話は非常に面白いです
昔を知らないからこういう話は非常に面白いです
3. Posted by みつべえ 2004年08月16日 22:08
なるほど、オリジナルデザインのハイエンドVGAが出ないのって
そういう裏があったのか!メーカー別の技術差が出て面白かったん
だけどな、残念です。逆に言えばどのメーカーの物を買っても
ハイエンド製品は変わらないという事でしょうから値段と付属品に
加え好みのブランドで判断すれば良いのでしょうね。
そういう裏があったのか!メーカー別の技術差が出て面白かったん
だけどな、残念です。逆に言えばどのメーカーの物を買っても
ハイエンド製品は変わらないという事でしょうから値段と付属品に
加え好みのブランドで判断すれば良いのでしょうね。
4. Posted by tanas 2004年08月21日 00:01
ELSAはAlbatron等のメーカーのOEM品しか無く(業務用を除く)、基盤やコンデンサも大体同じ物を積んでいるので他メーカーと大差無いのでは?
5. Posted by Vitalsine 2004年08月27日 13:30
おおよそAlbatronが出てくる以前のELSAのことを指していると思われますが。
私も3DCG用途にはかつてELSAのカードを好んで買い求めました。
私も3DCG用途にはかつてELSAのカードを好んで買い求めました。
6. Posted by 犬@ミッキー 2004年08月27日 18:49
コメント投稿ありがとうございます。
ハイエンドVGAのオリジナル性は失われていくのは
寂しいですね。
コストをかけてオリジナルを作っても採算が合わないのかもしれません。
確かに最近はオンボードビデオの性能も上がってきているので
ビデオカードが昔より売れなくなってきている模様です。
ELSAに関してはOEMですね。
色々なところで作られているようです。
積載されている部品が、どの程度差があるかは解りませんが
ELSAはリネージュとタッグをくんだりプロモーションが
上手いという点も人気の理由の一つでしょう。
最近になりハイエンドでもロットにより微妙にメモリのモデルナンバーが
変わったりしているのが見受けられます。
初回ロットと出荷量の多いメーカーには
良い物を出荷するのでしょうか・・・
ハイエンドVGAのオリジナル性は失われていくのは
寂しいですね。
コストをかけてオリジナルを作っても採算が合わないのかもしれません。
確かに最近はオンボードビデオの性能も上がってきているので
ビデオカードが昔より売れなくなってきている模様です。
ELSAに関してはOEMですね。
色々なところで作られているようです。
積載されている部品が、どの程度差があるかは解りませんが
ELSAはリネージュとタッグをくんだりプロモーションが
上手いという点も人気の理由の一つでしょう。
最近になりハイエンドでもロットにより微妙にメモリのモデルナンバーが
変わったりしているのが見受けられます。
初回ロットと出荷量の多いメーカーには
良い物を出荷するのでしょうか・・・
7. Posted by Yoshi 2004年08月29日 01:25
Tyanが以前出したタキオン9700pro(Radeon9700pro)は基盤、メモリー、
ヒートシンク、ファンがオリジナルでしたね。基盤色も青色で
OC耐性も高くて素敵でした。やっぱり値段も高かったですが。
他のメーカーが出していたリファレンスRadeon9700proの中では
目立つ存在でした。上の記事読んでサーバー向けの高品質なマザー
出しているTyanがオリジナルを出せたのはそういうことかと納得。
ヒートシンク、ファンがオリジナルでしたね。基盤色も青色で
OC耐性も高くて素敵でした。やっぱり値段も高かったですが。
他のメーカーが出していたリファレンスRadeon9700proの中では
目立つ存在でした。上の記事読んでサーバー向けの高品質なマザー
出しているTyanがオリジナルを出せたのはそういうことかと納得。
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